職について。



全然趣味の話じゃないんですけど、最近いろいろと考えるので思いつくことを残しておこうと思います。忘れないうちに。




私の今の状況は、簡単に言うとフリーターです。

詳しく言うと専門学校からアメリカの大学に編入しましたが経済的な理由で帰国し、そのまま実家でとりあえず働いている、という状態。父の仕事の都合で、弟の大学受験が控えているなか生活費さえままならない毎日。家の光熱費は私が出しています。それでも足りなくて、何回か親にお金を貸しました。もう貸した額がいくらになったかなんて忘れてしまったけれど、今まで私がやりたいようにやってきてアメリカの大学に行った経験まであるのに、弟は大学を選ぶ自由さえないというのはあまりにも、なんていうかそれはないよな、と思いこつこつ個人的にお金を貯めている。そんな状況。

本当は趣味になんて使っているお金はありません。それでも、漫画とかゲームは私のライフワークなので、削って削って、最小におさえて、クレジットをうまく使いながら今なんとかやっています。


ついでに言うと今住んでいるところも育ってきた県とは違うので、友達は一切おらず…。何かあっても駆けつけてあげられないし、すぐに話を聞くこともできない。逆に、聞いてもらおうと思っても電話かスカイプしかないような生活です。アメリカのときにも同じような経験ではありましたが、アメリカの大学には同じ専門学校から一緒に入学している子が何人かいたので、すぐに話が出来たところは少しだけ違います。どちらにしろ、私には知らずにストレスがたまる環境で、でもどうにも動けず、私自身も目的を見失い、ただ毎日をバイトやゲームで過ごしている、そんな期間です。




日本に帰ってきて、最初に働いたのは派遣でのテレフォンセンターでした。毎日、電話を取るお仕事。そこは女社会でもあり、仕事はうまくやれていましたが続けることは出来ず。結局、今のバイトに落ち着きました。テレフォンセンターで働いたときに学んだ、“会社”の空気ややりとり。肌で感じて、仕事をするということはどういうことなのか、というのを考えました。

仕事、とはお金が絡むことで、お金が絡むということは、それに値する何かを自分がするということ。テレフォンセンターであれば電話での対応、クレームの処理など。嫌なことであればあるほど、人がしたくないことなのでお金を積んで人にやってもらおうとするはずです。なので高い給料はそれなりに失うものが多かったりする。それならば、自分が求める“仕事”とはなんなのか。

自分の性格からして、やりたくないことは続けられない性分です。正確に言うと、続けられますが体調を崩したり他のところに徐々にガタがきて壊れるタイプです。そんな私が、好きなことを仕事にできたらいいと思い、そこで思い付いたのが歌手です。歌うことが好きで、自分の歌を、声を聞いてもらうことが好き。ならば、それが私に一番向いているんじゃないか、と。

ただ、歌手は完全に実力の世界であり、才能の世界です。今からそこに飛び込むのはかなり勇気がいるし、私にはそういったコネが皆無です。皆さんそうだと思いますが、一つのことに突き進むのは、相当勇気のいることです。20年間生きてきて、ずっと好きな歌に真剣に向き合えていない。そこまで大事だからこそ、仕事にして、辛くなってしまうことがとても怖いです。好きな曲ばかり歌えるわけじゃなかったり、事務所の裏側を見たり、挫折を味わったり。そんなことを考えるとどうしても足がすくんでしまって…。今やっと、オーディションを受け始めています。これが次に繋がるかどうかはわからないですが、一歩進めた、という事実を大事にしようかと思っています。


そこでふと考えたのが、じゃあ歌手を仕事にするのはどういうことなのか、ということです。歌手は世の中に腐るほどいるし、名も知れてない人を合わせれば誰だって歌は歌えるし聞いてもらうこともできる。その中で“歌手”という仕事はどんな役割になるのか。それを考えたときに、私はやっぱり人がお金を払うに値する何か、たとえば表現力だったり声質だったり、あるいはジャケットのクオリティだったり顔だったり。そういったものがないと、仕事として成り立たないんだ、と思いました。人がお金を動かそうと思えるようなものがないと、やっていけないんだと。それは人の真似をしてもだめだし、自分の何かを見つけなければいけない。それに気付いてから改めて自分の歌を聞いて、これはプロのレベルではない、と思ってしまう自分がいまして。自分がそう思うんだったら、なおさらうまくいかない世界だと思います。がんばれば自分のスタイルを出せるとは思いますが、まだまだ発展途上だと、客観的に見て思い、歌手を諦めたわけではありませんがそこで自分で納得しました。


そこで考えたのが、歌を趣味に、お金を稼ぐためだけに仕事をする、ということです。つまり、ある程度我慢できるような仕事で、お金を稼いで、自由時間を趣味に当てる。この生き方もいいんじゃないかと思うようになりました。そこでまた悩むのが、じゃあ何を仕事にするか。今までたくさんのバイトを経験してきて、好きなところで働くことがイコール楽しいではない、ということがわかりました。たとえば、漫画が好きだからといって本屋さんで働くのが楽しいわけではない、ということです。現に今、私は本屋さんでバイトしていますが、作業自体が楽しいとは思いません。発売の漫画を知ったり、社割が使えたり、そんな些細なことです。働いていて楽しい、という感情は、働く場所でなく環境だと私は思います。辛いことを仲のいい人とやるのとそうでないのが違うように、職場でも同じです。


では私は何を職業にすればいいのか。そこで、私はまた立ち止まってしまいました。しばらく考えた末、やっと出てきた結論が「自分が提供したいと思うものを職業にすればいいんじゃないか」という案です。

人がお金を動かすということは、その価値にあったものとお金を交換するということ。仕事とは、そこで出た儲けを得ること。ならば、仕事とは「人がお金を出そうと思う価値のあるもの」を提供することなのではないか、と思いました。本屋さんで働いて本が売れても、私が書いた本でもないし、売れることに対しては何も感じません。では、自分が売りたい、と思うものを売ればいいんじゃないか、という発想です。自分の好きな漫画を買っている人がいたら嬉しくなる、とかそういうことなんじゃないか、と。それかもしくは、自分が持っている価値のあるもの、たとえば才能だったり知識だったり、を提供する職業であればいいのでは、とも考えました。漫画が好きな私はよく人に「あなたの選ぶ漫画はセンスがいいね」と言われるので、編集長など漫画をプロデュースする側にまわるのもいいな、とも思ったりしました。

社会人になるということは社会のために何かする、そのしたことに対してお金を得て、自分一人で生活していく、ということだと思うので、社会に貢献できる何かをしなくてはいけない年齢のことだと思うんです。


私個人としては、フリーターがいないとお店の営業は成り立たないと思っているのでフリーターも大事な社会の一部だと思いますし、都心であればフリーターで十分生活しているだけのお金を稼げると思います。世の中フリーターだけじゃなくニートや親の金で暮らしてる人もいると思うし、大事なのは本人の意思、何に幸せを感じるか、どんな生活を望むかだと思います。


どこに就職した、どこの会社にいる、そんなことばかり気にする人間にはなりたくないと思ってきましたが、あまりにも自分が今の状況であっても気にしていなくて、もう自分でも驚いています。私の知り合いにも何人か、いわゆる負け組、落ちこぼれ、のような人はいますが、私はそんな人ほど経験が豊富で、いろいろ考えてきた人なんだと思います。それでいいと思っているかどうかは話していてわかるし、30超えてても立ち止まっている人なんてたくさんいます。大事なのは考えること。自分の状況と向き合うこと。未来について考えることはとても怖くて、不安で、一人で抱えきれないかもしれないけれど、私は今まで育ってきた中で培ってきた人間関係に何度も救われてきました。自分への自信だけは失わないように進んでいけば、いつか絶対、笑って過去を振り返れる日が来ると思っています。


先程、自分が提供できるものを職業にすればいいという結論を出しましたが、未だにそれが自分にとって何の職業なのか、決められずにいます。元々好きなものが多い私は、家庭教師をしてみたい、司書さんになりたい、歌手になりたいなどたくさんの夢を今まで上げてきました。やってみなくちゃわからないという精神でいろいろなものに手を出してきた私ですが、まだ人に勉強を教える職業は経験したことがないし、司書さんに至ってはイメージだけで働くことが何なのか想像もつきません。何が続けられる仕事か、何が一番自分にとっていいのか、それをもう少しだけ考えてみようと思います。




最後に。

何が自分にとって一番いい道か、というのは、未来になってみないとわかりません。選択肢が多くなる道を選ぶのも手ですが、それが一番いい方法だという確信はありません。大学を選ぶときも、就職するときも、未来について悩むときも、必ず誰しもが「一番いい方法」を考えてしまうと思います。

ですが答えなんて誰も知らないんです。だから、人に言われたことをやったら、その結果起こったことがその人のせいになります。それは後悔に繋がるかもしれないし、感謝に繋がるかもしれない。わからないけれど、そんな曖昧な人の言葉より、自分が思うこと、やりたいこと、または挑戦したいことでもいいです。自分が決めないと、自分の未来になりません。人からの言葉は、あくまでアドバイス。一番いい方法はこれだ、と自分で決めることが大事だし、自信にも繋がっていく。それを忘れないようにしてください。

……と、未来の自分に。