英国探偵ミステリア

こんにちは。今回はPSP乙女ゲーム「英国探偵ミステリア」の感想を書いていきたいと思います!
 
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推理はからっきしですが探偵ものが好きな私が、タイトルで選んだ作品です。発売されたのは2013年なので少し前の作品にはなりますが、攻略キャラはメイン5人とサブキャラ2人、そして真相ルートが1つと盛りだくさんな内容でした。
 
各ルートをプレイしての感想は、大満足の一言です。私はホームズやルパンに詳しくはないので、逆に先入観がなくプレイできたのもよかったです。各キャラのルートの内容が濃く、心情の移り変わりが丁寧に描かれていて、だんだん相手が大切な存在になっていくというこれぞ真の乙女ゲーム!と呼べる作品でした。とにかくキャラとイチャイチャしたいだけの乙女ゲームとは違い、キャラとの恋愛を楽しむストーリーを求めている人にとっては最高のゲームだと思います。タイトルに探偵とついてはいますが、あくまでも乙女ゲームなので、推理要素はあまりありません。そこを期待された方にとっては拍子抜けだとは思いますが、乙女ゲームとしてのクオリティは私が保証します。もう一度各ルートおさらいしたいくらいの良作です!
 
では以下から個別ルートの感想です。ネタバレ注意!!
(各声の人の敬称略)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エルロック・ホームズ(CV.鈴木千尋)
 
このゲームのメインルート。あのシャーロック・ホームズの息子。ハリントン学園の探偵クラスのひとり。助手のワトソンJr.くんと一緒に探偵事務所を開いています。口達者で、プライドの高い、ツンツンした小生意気なキャラです。見た目が綺麗でさわやかなので、喋り始めた途端驚いたのは私だけじゃないはず…(笑)
 
最初は鈴木千尋さんと声合わないなぁと思って聞いていたのですが、ずっと聞いてるとだんだんホームズくんにはこの方しかいない…!と思えてきます。早口で独特の喋り方が逆に癖になってくるんです。
それまでは早口で論理的にまくしたててくるのでイラッとする箇所も多いのですが、ストーリーが進むにつれてホームズくんの抱える葛藤が見えてきたり、不器用ながらも主人公を思ってくれる彼の優しさが見えてきます。
 
このルートでは、ホームズくんが敵に嵌められて犯人扱いされていくというお話なんですが、見ていてとても歯痒かったです。
主人公ちゃんはずっとホームズくんといるので彼の無実を痛いほど知っているのに、証拠と状況だけ見れば犯人と思わざるを得ない。そのような状況で懸命に事件解決のために動くホームズくんがとてもよかったです。今まで事件解決のために協力してきた彼をそんなにすぐに疑うものなのか…と疑問でした。まぁ警察からしたら探偵はあくまで探偵でしかないんでしょうが…。
 
その事件と同時に、ホームズくんとそのお父さんであるシャーロック・ホームズとの関係についても描かれているのですが、有名な探偵を父親に持つホームズくんはそのJr.という立ち位置をあまりよく思っておらず、父親にも素直な態度になれない彼がストーリーを通して強くなっていく姿には感動しました。
探偵として父を越えたいがために、人にも頼らないホームズくんですが、一人で行動するたびにどんどん悪い状況になっていく。そして、一人ではなく二人で、主人公ちゃんと一緒に犯人を追い詰めていく。
 
グッドエンドは弱い自分を認めて、主人公ちゃんを思う気持ちを素直に出すエンドでした。対してバッドエンドは探偵である自分を優先して、主人公ちゃんを思う気持ちをそのままに(主人公ちゃんも自分の気持ちを押し殺したまま)、友人として仲良くするエンド。
危険な目に遭わせたくないという気持ちから、事件にそもそも関わらせないために別れるというこのエンドですが、それも個人的には好きでした。安全を優先するか、感情を優先するかというのは、どんな時でも迷うものですよね…。
ホームズくんに関してはグッドでもバッドでもどちらでも納得のできるエンドでした。
 
ホームズくんとワトソンくんの共通の友人であったロイとの話で、ワトソンくんは初めてホームズくんと喧嘩した、ということでしたが、ここでワトソンくんとホームズくんの差が出てきましたね。
ワトソンくんの言い分はどうしても綺麗事に聞こえるし…犯罪を犯した時点で許されないんだから…と思ったのは私だけでしょうか…。
友人の罪を暴く方が辛いはずなのに、ホームズくんは現実を突きつけて、裏で刑を軽くしてあげられるように動く。言葉が鋭くてトゲトゲしていますが、ホームズくんは優しい人なんだなぁとこのエピソードで感じました。
やっぱりいくら友人でも、犯罪は犯罪ですからね…。
 
そしてこのキャラの魅力の一つが、鈴木千尋さんの演技力です。ホームズくんの性格と合致した普段の早口な喋り方と、言葉には弱さを出さない彼の、声に微かに出てくる弱さなど、さすがだなと舌を巻きました。
冷静なホームズくんが、主人公ちゃんの危険に声を張り上げるところや、言葉ではっきりと好きだと言わない彼の優しい台詞などが、ひとつひとつ真剣に届いてきます。
 
ルートを通して、彼は主人公ちゃんに一切好きという言葉は言いません。ですが、行動に出てくる優しさと、鈴木千尋さんの演技力で好意が伝わってくるので、そこがとてもよかったです。
 
個人的には、ホームズくんルートの事件が全て解決した後の学園でのお話がすごく楽しかったです。学生ならではのあのノリと、年相応に照れているホームズくんの可愛さときたら…!!これからもお幸せにな!と声を掛けたくなるほのぼのとしたエピソードでした。
あれが最後にあったおかげで丸く収まったエンディングになった気がします。一番はじめに攻略してよかったなぁと思いました。
 
各キャラのキスシーンはどれもいいのですが、ホームズくんのもすごくよかったです。動くな、とか逃げるな、とか言われたらもう…!!好きとか何も言われていないのに、好意がひしひしと伝わってくるんです…。そしてクラスメイトたちにからかわれて照れるホームズくんもすごくかわいいし…!!
言葉で甘いことを言わない分少し強引なのがすごくいいです。
 
 
 
ツンツン男子が好意を寄せていく姿がとても自然で、素直に感情移入できました。最後まで甘い言葉を吐かず、あくまで行動で好意を示すホームズくんはとても素敵でした。どのキャラも好きですが、やっぱりホームズくんが一番好きです。あと鈴木千尋さんも好きになりました(笑)。そのくらい、キャラとキャストがぴったりでストーリーも深みがあるものでした。プレイしててとても楽しかったです!
 
 
 
 
 
 
 
 
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ウィリアム・H・ワトソン(CV.木村良平)
 
ミドルネームはヘイミッシュ。シャーロック・ホームズの助手、ワトソン博士の息子。
医者の卵であるらしく、医術に関しては詳しく、体力があり頭は少し弱い。けれどどこかフェミニズムさを感じさせる、とても優しい青年です。論理的で冷たいホームズくんとは真逆な、思いやりのあるキャラ。ワトソンくんがいるからホームズくんはクラスでやっていけていると言っても過言ではないと思います…。ホームズくんの唯一の理解者です。
 
誰にでも優しいワトソンくんなので、主人公ちゃんに対してもかなり優しいです。でもそれは、実は幼い頃に会っていて、その時からワトソンくんは主人公ちゃんのことが好きだったからで。探偵になるきっかけになった少女の話を聞いた瞬間に、なるほどこれは主人公ちゃんだなと誰でもわかったと思いますが、ワトソンくんの思いは本物だというのがその後のイベントでわかります。
それが切り裂きジャックとの最初の相対のシーンだと思うのですが、蹴飛ばされたワトソンくんに駆け寄った主人公ちゃんに、切り裂きジャックが爪を立てようとしたときのスチルがきた瞬間、かなり心を動かされました。すごくすごくときめきました。数あるスチルの中で一、二を争うくらい素敵なスチルだと思います。ジャックの爪を自分の手で止めるワトソンくんの勇気と覚悟は本物なんだと思いました。
 
ですがストーリーが進むと、ワトソンくんが主人公ちゃんに距離を置くんです。私はこれが納得いきませんでした。
もっと強くなりたいという気持ちはわかるんですが、自分は彼女の側にいるに値しないと勝手に決め付けて好きな相手から離れるという…。それって傷付くのが見たくないだけでしょう!とワトソンくんを叱ってやりたくなりました。
自分が相手のことを想った行動だったとしても、主人公ちゃんの気持ちを聞かないで行動するというのが私は一番嫌いです。綺麗事は言ってもいいし、それが彼の目指すところであるなら全然構わないんですが、ワトソンくんは相手にとっての一番を考えるあまりに相手の気持ちを決め付けてしまうところがあるので…。
正直で真っ直ぐなワトソンくんはすごく好きなのですが、そこがちょっと引っかかってしまいました。ここは個人で見方が変わるところだとは思うんですけどね。
 
シャーロック・ホームズがやたらとワトソンくんは素直だなぁ、うちの息子はなんであんなに…と言っていたのが面白かったです。まぁあの父親あってのホームズくんだろうと。笑
 
優しすぎるワトソンくんなので、主人公ちゃんはワトソンくんが自分のことを好きなのかどうか、確信が持てないままで。そこで、ワトソンくんがストレートに好きだと言うシーンはとても感動しました。このゲームのキャラはひねくれている人が多いので、ストレートな言葉がとても素直に聞こえてきました。自分に自信がなく、綺麗事が多いのがたまにキズですが、主人公ちゃんを思う気持ちの大きさがそれをすっぽり包んでくれるようなルートでした。
 
バッドエンドでは、自分と一緒にいたら彼女のためにならないというワトソンくんの勝手な判断によりくっつかないというエンディングで、全く納得できなかったです。ホームズくんのバッドエンドと同じような状況なのに、こんなにも違うのはどうしてでしょうね…。
たぶんワトソンくんも主人公ちゃんも納得できないままの別れだからでしょうね。あと主人公ちゃんがもう少し強く、あなた何でそんなに後ろ向きで悪いところばっかり見るの!ってガツンと叱ってくれたら済む話なのにそうしないからですかね…。
 
自分がまだ至らないから相手と一緒にいないというのは叶わない綺麗事ですし、一緒にいて一緒に成長すればいいだけの話では?と思うのですが…。
 
 
 
何はともあれ、木村さんのわんこ男子の演技も伴って、とてもかわいいキャラでした。声とキャラもぴったりで、スチルも素敵で、申し分ないルートでした。キャラが好きかどうかは人によって分かれると思いますが、クオリティはホームズくんのと同じくらい作り込まれていました。
 
 
 
 
 
 
 
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ルパンJr.(CV.松風雅也)
 
ハリントン学園、探偵クラスのクラスメイトであるルーピン。ドジっ子眼鏡くんで気弱な彼。ですが彼は、実は世間を騒がせている、ルパンJr.でした。
ルーピンくんの時の気弱な喋り方から一変したルパンくんの声を聞くと、すごくかっこよく素敵に聞こえるのはなぜでしょうか…(笑)。ルーピンくんは自信がなさそうに喋るので、ルパンくんと同一人物だとわかってても別人に聞こえます。性格が全く違うので、ルーピンくんを演じているのにも理由があるのかな、と思ったらそこに触れることもなかったので、ただ単に一般人に紛れて生活するためだったんですかね。それにしてはルーピンくんのキャラも濃かったような。(笑)
 
ルート的には、ルパンくんにこれでもかと振り回されて、逃げ続けたルパンくんがやっと主人公ちゃんを選んでエンドです。
歯が浮くような台詞ばかり言って、フェミニズムの代表のような彼ですが、主人公ちゃんに対しては全然誠実じゃありません。ずっと追い続けている主人公ちゃんに見て見ぬフリをして、そのくせ自分はその気があるような態度になる。絶対にやめておいた方がいい男なのに、それでも追いかけたい主人公ちゃんの気持ちの動きがとても丁寧に描かれていました。私も主人公ちゃんと同じ気持ちになって物語を楽しめました。
 
 
ルーピンくんがルパンだとわかるイベントが、ルパンくんルートの醍醐味だと思います。
チンピラたちにからまれた主人公ちゃんのために、ルパンの使う武器であるカードを放って撃退するルーピンくん。あの赤縁眼鏡の顔でカードを持って凄んでいるスチルは、とても綺麗でタイミングもばっちりでした。
ルパンくんにとっては美しくないチンピラなんて嫌い以外の何者でもないと思うので、それにやられっぱなしのルーピンという人間を主人公ちゃんに見せたくなかったんでしょうね。それに主人公ちゃんに手を出されるのも嫌だったんでしょうし。そう思うと、ルーピンの本性はあくまでルパンで、二重人格というわけではないんだろうなぁ。
 
ルーピンくんのお父さんであるアルセーヌ・ルパンもすごくいいキャラしてました。自分のことをパパって呼ぶ父親…!!かなりの親バカでとてもおもしろい。しかもアルセーヌ・ルパンの声の人も演技が上手で、喋る度に笑いそうになりました。素敵なお父さんだ彼は…。笑
 
ルパンくんが逃げるのを追いかけて主人公ちゃんが崖から落ちるイベントでは、本当に馬鹿じゃないのこの子たちと思いました(笑)。
まずルパンくん、主人公ちゃんが追ってくるってわかってるのにそんな危険なところから逃げるなよ…それから寒いからって裸で抱き合うなよ…お約束ではあるけども…。
このイベントがきたときに、好きな子と裸で抱き合っていて手を出さなかったルパンくんすごいねという感想が真っ先に出てきてしまったのは私の心が汚れている証拠…。
しかし体を張って主人公ちゃんを助けてくれたのは嬉しかったです。ルパンくんは普段肉体労働なんてしない人間なので。
 
主人公ちゃんを危機から救ってくれるくせに、いつも逃げていくルパンは見てていらいらしました。
キスしたり、裸で抱き合ったり、自分の過去を話したり、主人公ちゃんのことを大切な人って言うくせに、さよなら…って言われる。わかっているのに、それでも期待してしまう主人公ちゃんの気持ちが痛いほどわかりました。ルパンくんは嘘をよくつくのに、主人公ちゃんを想っていることがわかるのが不思議というか、このゲームすごいなさすがだな、と思いました。たぶんストーリーの運び方とか、言葉の選び方がいいんだろうなぁ…。
 
グッドエンドの最後のシーンがとてもよかったです。「十数えるから、目を閉じて」という言葉に何度も裏切られて、目を開ければいなくなっていたルパンくんが、三回目でようやくいなくならずにいてくれたのがきゅんとしました。欲を言うなら、後ろにまわりこむんじゃなくてそのまま目の前にいてほしかったですけど。
でも後ろに回った分あすなろ抱きしてくれたので、それはそれでよかったなぁ。
 
関係ないですけどプレイボーイに見えてルパンくんは童貞そうだなぁとか…甘い言葉を言うのはお安い御用だけどいざとなると手が出ないというか。まぁでもそれは関係ないねごめんねルパンくん。笑
 
個人的にグッドエンドの後のことが気になります。ルーピンくんはあの後普通に学校に通ったのかなとか、ルパンはその後も怪盗してるのかな、とか。両思いになって終わりで、ホームズくんやワトソンくんのエンドのようにその後の描写がなかったので…。
バッドエンドもよかったです。怪盗と探偵という距離感のままのエンド。このエンドはまだ救いがあるというか、この後もまたルパンくんとのあれこれがありそうなエンドなのでいいですね。フラフラしていて誰にもとらわれないところがルパンくんという怪盗のよさでもあるので。
 
 
 
ルパンくんは、何といってもルーピンくんとの差が魅力的でした。ルパンくんを見た後にルーピンくんを見ると、とてつもなくかわいく見えるから不思議です。ルパンくんのあの気取った感じはやっぱり素なんですかね。
フラフラしていてクズ男に見えるけど、それでも主人公ちゃんに対する想いは本物だ、とわかる。シナリオと言葉や台詞がいい具合にマッチしているルートだったと思います。
 
 
 
 
 
 
 
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明智健一郎(CV.三浦祥朗)
 
日本から来た留学生。イギリスに来たところで探偵クラスの先生の目に止まり、クラスメイトになった明智くんとその助手の小林くん。
彼らについては、深く考えると疑問だらけです。小林くんと二人きりでイギリスにやってきて一体どうするつもりだったのか、とか…英語はできたのか、とか…お金は持ってるの、とかとか…。まぁでも腕は立つ、推理もできる、それだけで十分なんですかね。イギリスで生きていく上では。笑
 
彼は日本男児ならではのお堅い男の子で、女性に慣れていない真面目くんでした。簡単に言うとホームズくんの日本版、助手の小林くんはワトソンくんの日本版という感じですかね。言い方あれですけど。
 
ホームズくんにライバル意識はあるものの、お互いがお互いを尊敬している、という関係性はとてもよかったです。それに対して、ワトソンくんと小林くんが意気投合しているのもかわいかったです。お互い厄介なやつの助手やってて大変だよな、という。小林くんの場合は二人きりで違う国にまで来ているのですごいですよね。
何はともあれ、日本男児が好きな人には明智くんはたまらないと思います。
 
明智くんルートでは、国や人種の違いについて、というのもテーマになっていたと思います。
東洋人であるが故に、何か問題があったときに真っ先に疑われる。その辺の葛藤も少し散りばめてありました。その時は明智くんも小林くんもかなり大人な対応で、本当に子どもかこの二人…とつっこみそうになりました。
 
剣が強いというのはわかるんですけど、小林くんの武器がパチンコってなんぞや。勝負して大人に勝てるくらいパチンコってすごい武器やったっけ…と。小林くんは武器を発明するのも好き、という描写が少しだけあったので、もう少しそこを掘り下げてもよかったんじゃないかと…。
 
明智くんルートでは小林くんがかなり動いていて、過去のことをうじうじ気にしている明智くんにガツンと小林くんがぶつかるというストーリーだったので、小林くんがかなり男前でした。
私はユーロピアンな雰囲気が好きなので、個人的には明智くんルートいらなかったんじゃね…とか思ってしまった…明智くんごめんね。
 
違う国から来た明智くんとともに日本にも興味を持つ主人公ちゃんが最高に可愛かったです。あなたの国のおにぎり食べてみたいとか好きな子に言われたらキュンときますよねやっぱり…。日本に関しての資料を探すシーンなど、ちらほらそういった国の違いをほのめかす描写があったのもよかったです。
それにしても明智くんルートでは主人公ちゃん敵につかまりまくりですね…。せっかく逃げ出せると思ったら子供をかばって逃げられなかったり…なんかもう少しどうにかならなかったものか。
 
というか明智くんがよく破廉恥という言葉を使うんですが、あれって英語だと何て言うんでしょうね。日本語だと細かいニュアンスも伝わりますけど、英語だと破廉恥も助平も同じような意味になるのでは。でも明智くんが破廉恥って言うのと助平って言うのはかなり印象が変わるので気になるところではありますね…(笑)
 
明智くんは、自分が正しいと思ってやったことをお世話になっていた師匠に否定されて出てきたらしいんですが、ラストで「もしかしたら師匠は自分を守ってくれるために出て行けと言ったのかもしれない、だから自分は日本に戻ったら会いに行く」という話をするんです。
このエピソードは日本ならではというか、日本の武士と華族の身分違いからくるトラブルの話だったので、なるほどと思いました。
 
バッドエンドは日本に帰る直前に桜の栞を主人公ちゃんに渡して、これは大切なものなのであげられません、なので貸しておきます、って言って別れるエンドでした。普通に考えて主人公ちゃんたちの歳で、愛のために国をまたぐなんて考えられないことなので、このエンドが一番自然でいいなぁと思いました。グッドエンドは反対するペンデルトンを押し切って一緒に日本行っちゃいましたからね。笑
やっぱり一緒にいたいからといって、まだまだ世界を知らない二人だけで日本に行くっていうのは夢物語すぎるんじゃないのかなぁ、と。
 
 
 
明智くんと小林くんのコンビが輝いていたルートでした。小林くんほど脇役が似合うキャラはいないだろう…。笑
主人公ちゃんが明智くんのことを明智さんと呼んでいたのが地味に気になりました。小林くんは小林くんなのにね。英語でどうやってそこの区別するんだろうか。笑
 
 
 
 
 
 
 
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ジャック・ミラーズ(CV.藤原祐規)
 
探偵クラスのクラスメイト。いつもくまがあり、基本的に人と話さない無口な少年。イーストエンドという無法地帯にある救貧院で育った彼は、養父に引き取られてからは、実は裏の世界で働いていました。
そんな彼とのお話なんですが、ボリュームが多くてついでにバッドエンドも多くて、なんか本当のメインはジャックなんじゃないか?と思ってしまうくらい手が込んでいました。
 
ジャックはあんまり人と話さないので、主人公ちゃんが一生懸命話しかけても冷たい態度を取られてしまいます。
そこで主人公ちゃんは、なんと手紙交換をしよう、と言うんですよ…。もうこの発想がかわいすぎてですね!お手紙なら素直に書けるでしょう?ってことらしいんですけどその言葉通りに素直にお手紙の返事を書くジャックもすごくかわいい。そんなピュアな二人でした。かわいい。
 
泣いている主人公ちゃんにキスするシーンが最高にときめきました。言葉で好きとか、甘い雰囲気とか何もなく、いきなりキスしてそのあとジャックくんが「…….怒った?」って一言言うんです。もうそのシーンがかわいすぎて…!!そこが私のジャックくんルートのピークでした。過酷な運命がなければ、きっとジャックくんも幸せだったろうになぁと思うと泣けてきます…。
 
世間を騒がせている切り裂きジャックと間違われて牢に入れられたりしてしまうんですが、そもそもジャックは裏の世界でいらなくなった人間を排除しているだけなので、死体や証拠は残さないんです。なのに、ゲーム内でも疑われ、しまいにはこのゲームの公式サイトにもでかでかと「切り裂きジャック」って書いてあるのはわたし的になんだか違和感がありました(笑)。結局犯行をしていたのはブラッドリーだったわけなので。
 
この子だけバッドエンド2つと主人公デッドエンドがあり、しかもその選択肢を選んだ時点でのエンド突入だったので落とし穴だらけやないか!!!とつっこみました。あとこのエンドだけにあるGame Overの文字。あれびっくりしました。あのエフェクトいらんだろ!と!!!(笑) おどろおどろしいし背景墓だしやたら怖かったです。
 
何はともあれ、この子のグッドエンドはかなりよかったです。罪が許されたわけでもないし、切り裂きジャックではないとはいえ、人殺しをしていたのには変わりない。その彼を、あくまで一生つかえる執事として、主人公ちゃんのそばに置く。
ペンデルトンの配慮と、主人公ちゃんを想う優しさゆえにこうなったんでしょうが、私もこれが一番いい策だと思いました。警察に差し出せば必ず罪を償わなければならないし、そうなると主人公ちゃんはもっと悲しむ。
所詮ペンデルトンは主人公ちゃんのことしか考えてないので、ジャックと主人公ちゃんの気持ちが変わった時のことなんか考えないんですよね。そういう、うまくいかないところとかもわかっている彼の選択は納得でした。
 
ワトソンくんがやたらジャックにつっかかるのがよくわからなかったです。根本的に性格が合わないんですかね。
教室じゃそんな素振り全然見せなかったくせに、切り裂きジャックの事件があるとすぐに俺はあんまりジャックのことよく思ってなかったんだよ、的なこと言ったり、そのくせジャックをずっと信じ続ける主人公ちゃんの前では、やっぱりジャックは犯人じゃないよね、という感じのことを言ったり。なるほど偽善者…。ジャックからしたらワトソンくんは最も苦手な部類でしょうね。ワトソンくんも悪気はないはずだけど、言ってることが甘いからなぁ…。
 
ジャックくんの、今まで育ってきた環境からくる、自身への諦めのような性格も納得できました。このゲームが作り込まれているなぁと感じるのは、こういった背景からくるキャラたちの動きが考えられているからだと思います。
各キャラだけでなく主人公ちゃんも、恵まれて育ってきた(貴族に生まれ、親はいなくてもペンデルトンに愛されている)彼女が取る、世の中を信じ切った行動というのは、やはり彼女だからそうしたんだろうな、と理解することができるというか。たかが乙女ゲームに深く考えすぎかもしれませんが、私にとっては作品を楽しむ上でとても大事なことなんです。
 
ジャックのお話ではワトソンくんがわりと出ずっぱりでホームズくん空気でしたね…。まぁ彼は警察側の人間ですしね。
ジャックが学園にいたのもホームズくんの動向を探るためでしたし、ジャックが苦手だとは言っていましたけどきっと好きでもなかったんでしょうね。
 
正直、人から興味を向けられなかったジャックに唯一興味を持ったのが主人公ちゃんだった、というところからのスタートなので、今後どうなるかがちょっと怖いですね。
まっとうな人間として生きることになったなら、ジャックのまわりの環境も変わるはずで、そうしたら気持ちを向けるのは主人公ちゃんだけじゃなくなるかもしれないわけで。選択肢がなかったジャックが、選べるようになったらどうなるのか…。うーん。主人公ちゃんはずっとジャックを信じていたので揺らぐことはないと思うんですが。今後の展開が気になるところです。
 
 
 
切り裂きジャックという実際にあった猟奇殺人をベースにしたお話だったのでどうなるんだろうと不安でもあったのですが、リアルな展開と、警察と探偵と犯罪者という三つの視点をうまく組み合わせていきながらのドラマティックな展開に恋愛も加わり、物語にぐっと引き込まれました。たぶん一番力入っているのはジャックのルートなんじゃないかなぁ。
グッドエンド後の二人が幸せでいられるように、と祈りたくなるようなお話でした。
 
 
 
 
 
 
 
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セーラ・マープル(CV.本多真梨子)
この二人はメインルートではないですが、二人とも友情エンドがあったので薄く感想を。
 
とりあえずマープルちゃんかわいすぎました。ワトソンくんといいカップルになりそうだと思ったのは私だけか…。
他のルートと比べてかなり平和なので(そもそも事件が起こらない)、ほのぼのしました。紅茶大好きマープルちゃんくそかわです。お茶会まぜて。
 
 
小林くんルートは…切なかったですね。明智くんに気持ちが傾いていた主人公ちゃんのことを知っていて、それでも主人公ちゃんが好きになってしまった小林くんが、明智くんを追い越して成長したら迎えにくるからな、みたいなエンドです。友情エンドと言うのだろうか…。個人的には明智くんより断然小林くんの方がいい男だと思うけどね。笑
明智くんと小林くんは、興奮するとお互いを名前で呼んでしまうのがよかったですね。誠司と健ちゃん。健ちゃん呼びかわいいな。主人公ちゃんが明智くんのことを健ちゃんって呼んだときはかなり驚いたけどな…(笑)
 
 
 
 
そして最後に真相ルートなどの感想を。
 
真相ルートに入る前の、いわゆるベーカー街ルートでは、みんなに守られている主人公ちゃんそこ代われ状態でした。あのクラス本当に楽しそうだ…。
 
真相ルートは、みんながそれぞれ主人公ちゃんを守ってくれているのが本当に嬉しかったですね。ホームズくんとワトソンくんは隣で守る感じ、ジャックくんは影から、ルパンくんはひらりとやってきて味方も敵も欺いて主人公ちゃんだけの味方、そしてペンデルトンは相変わらずの裏ボス感でした。笑
正直、ペンデルトンが本当の黒幕なんじゃないかと思っていたので、ちゃんと最後まで主人公ちゃんの執事でいてくれたことが嬉しかったです。ペンデルトンは普通の執事ではないけど執事だった…。よかったよかった…。
 
最後のクリスマスのくだりはなんだか泣きそうになりました。みんな優しいし、親がいない主人公ちゃんにとってはすごく嬉しいことだったろうな、と。
グランドエンドという名前に相応しいエンドでした。大団円です。最初から最後まで楽しめました。
 
 
 
 
 
 
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かなり長くなりましたが最後に軽く総評です。
 
ミステリアはキャラ全員に顔グラがあって声があるので、すごく物語に入りやすかったです。モブのチンピラにも、敵キャラの手下にも。
それに加えて雰囲気のあるBGMと、心を打つEDのカラオケバージョンがまたいいタイミングで流れるので、音楽に関しても文句無しです。OPのハドソンの曲かわいすぎですわ…。フルで毎日聴いてます。
 
機能的に見ると、スクショがなかったのが残念でした。スクショあるのはオトメイトだけなのかな….。スチルがとっても綺麗なので、うわああああああセリフと一緒に保存したいいいいいいいと思ってジレンマしてました。
選択肢へのスキップ機能があるので、これは重宝しました。乙女ゲームはやっぱりスキップ機能あるのとないのじゃ違いますよね…。しかも未読の文章のところはスキップしないでいてくれるのですごく親切でした。
 
私は攻略サイトを見て乙女ゲームをプレイする派なので攻略のしやすさについてはわかりませんが、たぶん一般的な乙女ゲームと同じなんじゃないかと…。私には好感度表の見方がわからなかったですけどね。笑
 
 
 
 
ここまで長々と読んでくださってありがとうございます。私の英国探偵ミステリアへの愛がこれで伝わったと思います。笑
世界観が本当に素敵でストーリーも凝っていて、とても楽しめました。各キャラもそれぞれがいい味を出していて、探偵クラス本当に楽しそうだなぁと羨ましく思います…。
 
たっぷりと楽しめたこのゲームの製作者様たちに感謝したいです。ありがとうございます。本当に楽しかった。ぜひみなさまにもプレイしていただきたいです。
 
 
では!長々と失礼しました。